プラズマにより風が吹く!?

カメラのSDカードを整理していたら,数年前に行った実験の動画がでてきました。プラズマから誘導される気流を羽根車で検出するという実験です。こちらがその動画。

真ん中の十字の羽根がプラズマで回ります。プラズマが見にくいので途中で明かりを消しています。

プラズマから発生する風は電気流体力学現象と呼ばれ,プラズマ中で生成されたイオンが高電界中で加速され,中性の気体分子と衝突することで,中性の気体に流れが生じて風が吹くと考えられています。この現象を航空機の翼周りの気流制御や風車の出力改善に活用する研究などが行われています。

私の研究室では,「プラズマにより吹く風で羽根車を回し,気流の特性を調査できないか?」という発想をきっかけに実験を開始しました。最初は100均で買った綿棒の容器や発泡スチロール板など身の回りにあるものを使って「ササっと」装置を構成し,回転することを確認してから本格的に装置を設計しました。それでも最初はうまく行かず,羽根がプラズマの熱で変形して途中で回らなくなったり,当時担当していた学生さんはなかなか苦労していましたよ。その後,学生さんがいろいろと装置を改良し,最終的にはプラズマ空間に供給する窒素や酸素と混合比率を変えた際の羽根車の回転数やトルクを測定し,気流の特性を評価できるようになりました。

「プラズマで羽根が回るっ!」って見ているだけでおもしろいでしょ!

卒研真っ只中!

もうすぐクリスマス,その後お正月とゆっくり時間を過ごしたいところですが,毎年,この時期は卒業研究の追い上げ時期でもあります。今日は4年生の柴崎君と純水へのプラズマ照射実験を行いました。原料ガスにはヘリウムを使用し,プラズマジェットを純水に照射すると,プラズマにより水中にOHラジカルという強い酸化力を持つ化学活性種が生成され,これが2つ結合して過酸化水素(H2O2)が生成されます。本日,柴崎君はプラズマへの投入電力や照射時間を変えた際の過酸化水素の濃度特性を調査しました。

純水の入ったシャーレをプラズマジェット装置の真下に設置しています
ガラス管の先端から出ている紫白色の光がプラズマ(ちょっとわかりにくい?)

OBの松本君が来てくれました

2019年度に大学院修士課程を修了した松本和也君がリクルーターとして大学に帰ってきてくれました。大学院時代には,放電プラズマ中におけるオゾン数密度計測に関する研究を積極的に進めてくれました。久しぶりの再会は短時間でしたが,元気な姿を拝見し近況も聞けて嬉しかったです。コロナが落ち着いたら是非飲みに行きたいね!

研究室汚くてゴメン…

国際会議(GEC2021)で修士2年の大山永治君が発表しました

10/4~10/8の期間でThe 74th Annual Gaseous Electronics Conferenceがオンライン(Alabama)で開催され,修士2年生の大山君が下記の題目で発表しました。

Eiji Oyama, Akihiro Shirai, Tadahiko Nakagawa, Masahiro Sogabe, Toshiya Okahisa and Kenji Teranishi: “Effects of Physiological Saline Solution Treated by Ar Dielectric Barrier Discharge on Proliferation of Jurkat Cell”

現地時間で夕方5時~7時の発表でした。日本と14時間の時差があるので早朝から大学に来て,朝7時から9時の間で発表しました。英語での質問にも頑張って答えていました。研究内容について興味深いとの言葉も頂いて良かったね!

発表の様子

pH計の校正

本日は学生さんにpH校正を覚えてもらいました。pH計は使用する前に必ず校正を行います。校正作業にはpH4.01,6.86,9.18の3つの標準液を用い,標準液のpH測定値とpH公称値をpH計本体に記憶させることで精度よく測定できるようになります。今回使用したpH計はコンパクトpHメータ LAQUAtwin(pH-33B)で,少量の溶液のpHを簡単に測定できます。4年生の森君がマイクロピペットを使って,センサ面に標準液を滴下しています。