研究室のワークテーブルをつくってます!

実験室のチョットした空きスペースに作業テーブルを設置して,そこでハンダ付け作業などできたらいいなと考えていました。買っても良いのですが,ちょうどいい感じのものがなかったので,研究室の学生さんに作ってもらうことにしました。さて,誰に頼もうか…。今回は私の授業を受けていてくれた宮内君と近清君。授業終りにお願いしたら2人とも快く引き受けてくれました。

事前にホームセンターで6フィート2×4(ツー・バイ・フォー)のSPF材7本と900×600×12のラワン合板を購入してあったのでさっそく作業を開始!

丸ノコで角材を指定の長さに切った後,外枠を組み立て天板と合わせていきます。

ドリルドライバー作業は初めてという宮内君。最初はちょっとやりにくそうでしたが,慣れてきたらスムーズに穴あけとねじ止めができました。

小さい頃にやったことがある近清君は「なつかし~♪」と手際よく天板にサンダーをかけてくれました。

そして本日の成果は…

良い感じに仕上がりました!

丸ノコで正確な長さで角材を切る作業は難しいのですが,近清君と宮内君が丁寧な作業をしてくれたので隙間もガタもありません。2人とも日曜大工上手だねぇ!

学生が帰宅した後,寺西がひと工夫加えました。

ダボという木片を使ってネジを隠蔽しました。せっかくつくるのだから見た目も綺麗にしないとね。

さ~,次はテーブルの脚の製作ですね。また手伝ってね!

パソコンが立ち上がらない!?

昨年度は出番がなかったフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)の動作確認を行いました。今年度はこちらの装置を使って学生が実験を行う予定です。FT-IR本体はパソコンで制御しますが,なんとパソコンが立ち上がらない!普通に使用しているパソコンなら,新しいものを用意すればよいのですが,FT-IRを制御する専用のソフトウェア(高額!)が入っているため,そう簡単にはいきません。何とかして直さねば!とあれこれ作業を開始。

症状としては,パソコンの電源ランプは点灯し,ハードディスクやDVDドライブ,CPUファンなどには通電しているようです。しかし,モニタやキーボード,マウスへの信号はいっていないようで,BIOSが立ち上がらない状態です。とりあえずテスターを使って電源の電圧を確認しましたが,ちゃんと12 Vと5 Vが出力されていました。BIOSが立ち上がらないので,マザーボードのボタン電池を交換するも症状に変化なし。

う~ん,とさらに色々と考える…。ビデオ(オンボード)とキーボード,マウスに信号が行っていないということはマザーボードへの電源供給がうまくいっていないのでは?ということで,マザーボードに電源を供給するコネクタを外して接点の清掃を行いました。

電気接点を清掃する専用のスプレーもあるのですが,手持ちでなかったので,車のトランクに積んである使えそうなスプレーを持ってきて…,

シュッ!とひと吹き。したら…

オ~!無事に起動しました。

ということで原因はマザーボードと電源を接続するコネクタ部分の接触不良と思われます。1枚目や3枚目の写真を見るとマザーボードを本体に止めるネジが異様に錆びていますので,PC本体が湿度の高い環境に置かれていたため,コネクタ接点の酸化が接触不良を招いたかもしれません。ちなみにPC本体の近くにはオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)があったため,早速パソコン本体を別の場所に移動しました。

その後,FT-IR本体の動作確認も行い,光源出力や検出器感度もまずまずということで,ひと安心。まだまだ頑張って動いてもらいます。

令和3年度卒業・修了式が行われました

本研究室から5名の学生さんが卒業・修了しました。今年度も新型コロナウイルスの蔓延により,自由な活動ができませんでしたが,そんな中でも学生の皆さんは本当によく頑張ってくれました。研究室は寂しくなりますが,それぞれが新しい舞台で活躍することを心よりお祈りしております。

卒業・修了おめでとう!また,研究室にも遊びに来てね!

久しぶりにオゾン発生器を動かしてみた

新型コロナウィルスの拡大が止まりませんね。一昨年前に奈良県立医科大学とMBTコンソーシアムの研究グループがオゾンによる新型コロナウィルスの不活化効果を確認したことが発表[1]され,オゾンの殺菌効果が改めて注目されています。低濃度のオゾンは空気清浄機にも利用されており,私の研究室では圧電素子を用いた小型オゾン発生器の開発を行ってきました。低濃度のオゾンガスが新型コロナウィルスの除染に効果があるとの報告[2]もあるので,ちょっと前になりますが,久しぶりにオゾン発生器を引っ張り出して研究室(私の部屋)内で動かしてみました。

圧電トランス型オゾン発生器(右側),真ん中は左のエアポンプを駆動するための直流電源

こちら(写真一番右の装置)がそのオゾン発生器です。10年以上前につくったもので久しぶりに電源入れましたが,ちゃんと動いたのでちょっと感動しました。内部に圧電トランスという素子が入っていて,素子に交流電圧を加えると圧電効果により機械振動が発生し,その振動が共振した際に素子表面に高電圧が発生してプラズマが得られます。共振周波数は,表示器下の緑色のLEDの光の強さが最大になるように装置前面右上のつまみを調整することで設定できます。

ところで,人体の安全を考慮したオゾンの許容濃度(日本産業衛生学会提案の作業環境基準)は0.1 ppmですが,このオゾン発生器は酸素を供給してガチで駆動すると,その濃度は最大で数万ppm程度に達してしまいます。そうなるとウィルスだけでなく,私までも不活化されてしまうので,原料ガスには室内空気を使用し,非常に低い駆動電圧で0.1 ppm以下となるように調整しました。

先日,試しに私の研究室で一日中駆動していたところ,オゾンの臭いがしたためか,研究室の学生さんが心配して声をかけてくれました。0.1 ppmよりかなり低い濃度に設定していましたが,それでも臭いに敏感な人は気になるかもしれません。私は学生時代から実験して慣れており,むしろ清々しい気分にさえなるのですが,「大丈夫なんすか?」「倒れたりしないんすか?」と,徳島大学の学生さんは本当に優しいですね。

学生さんに心配(というか臭いで迷惑を)かけてはいけないので,後日研究室用に低濃度オゾンを利用した空気清浄機を購入しましたよ(こちらは殆んどオゾンの臭いはいたしません)。お昼に食べるお弁当の臭いが直ぐに消えるようになりました。

参考URL

[1] 奈良県立医科大学.「プレスリリース (世界初)オゾンによる新型コロナウイルス不活化を確認」.https://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r2nendo/documents/press_2.pdf(参照 2022/2/25)
[2] 藤田医科大学.「本学の村田貴之教授が人体に安全な低濃度オゾンガスで新型コロナウイルスを不活性化できる事実を世界で初めて発見」.https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000007394.html(参照 2022/2/25)